高島の福祉で働く人の声Work Style

社会福祉法人高島市社会福祉協議会

会話から、生活を彩るコトづくり

最後のジャガイモ

高島市社会福祉協議会は、地域支援事業・介護サービス事業・相談支援事業を展開し、ふくしのまちづくりを推進することを主なミッションとしています。そのなかで私は、介護サービス事業のきらりマキノという事業所にケアワーカーとして勤務。入浴・排泄・食事などの生活面の介助と、個別支援を行っています。「こんなところに来ても仕方がないわ」。これはある日、利用者さまから突然言われたひと言です。お風呂に入り、食事もして、予定通りに進行していたので何のことだかわかりませんでした。先輩に相談にすると、その利用者さまは畑作業が好きなんだけど、最近はそれができていないとのこと。「業務をこなすだけではダメ」と先輩からも指摘され、利用者さまがこれまでしてきた生活を知ることの大切さを痛感しました。さっそく利用者さまに「施設内の畑で野菜をつくりませんか?」と提案。お体が不自由なのでできる範囲での畑作業でしたが、植え方や野菜のことなど目を輝かせて教えてくれるんです。日に日にいい表情になっていくのが本当に嬉しかった。最後に植えたジャガイモの収穫前にお亡くなりになられましたが、採れたジャガイモをご家族にお届けしたところ、「あの人は本当に畑が好きでね」と喜んでいただけました。この経験がなければ、今の自分はないと思っています。

楽しかった盆踊りを再現

大学は法学部でした。将来、幅広い分野で役立ちそうという漠然とした理由での受験。まだやりたいことが明確に見つかっていなかったんです。民法について学ぶゼミで、毎週毎時間ディベートをしていました。仮説を立てて書籍を読み込み建設的に議論し、物事を深く考えまとめていく力は今の仕事に生かされています。たとえば、利用者さまとのコミュニケーションのなかで。今は車椅子だけど、昔は地域のお祭で率先して盆踊りをされていたというお話をお聞きしたんです。そこで職場の夏祭りにて盆踊り大会を企画。踊りはできなくても、その利用者さまには音頭をとってもらうようお願いしました。さらに利用者さまの若い頃はどんな音頭で踊っていたのかお聞きして、昔の盆踊りを再現するかのように、どの演目を踊るかいっしょに準備していきました。この盆踊り大会は、その利用者さまをはじめ、ほかの利用者にも「懐かしいね~!」と大好評でした。

主人公は利用者さま

職員主体のサービス提供ではなく、利用者さま主体でその方の生活を色づかせたい。そのためには、一人ひとりの利用者さまとたくさん話すこと。心から喜んでいただけるサービスや企画は、直接話す会話のなかにあるから。もちろん、実務的なスキルアップもまだまだ必要なので、現在は介護福祉士の資格取得をめざしています。これからも利用者さまが主人公の毎日を、いっしょに楽しく暮らしていこうと思います。

  • 社会福祉法人高島市社会福祉協議会
    ケアワーカー
    大谷 健仁さん

    滋賀県高島市出身。京都産業大学法学部法律学科卒業。就職活動中に祖父が病気で倒れたことを機に、身近な人の支えになりたいと地元就職を決意。利用者さまとの会話から新しい支援やレクリエーションを企画し、地域の青年団などと連携しながら枠をこえた活動にも力を注いでいる。

  • [法人紹介]
    社会福祉法人高島市社会福祉協議会
    http://takashima-shakyo.or.jp/

    高島市社会福祉協議会は、「ふ」だんの「く」らしの「し」あわせのため、地域住民さんと共に考え、話し合いながら地域福祉を進めています。また、ケアを通じて住み慣れた町で暮らし続けることをお手伝いしています。

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高島市介護サービス事業者協議会 事務局 高島市社会福祉協議会 在宅福祉課
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