社会福祉法人 すぎやまの家 杉山寮
一日いちにちを大切にする
僕が働く杉山寮では、重度の知的障害のある方が入所されています。利用者さんには、ごはんやお風呂、トイレなど生活全般の介助が必要です。たとえば、就労支援などを行う施設の主な目標は、利用者さんが社会の中で働いて生活を成り立たせること。ですが、杉山寮では重度の知的障害の方がほとんどということもあり、「一日いちにちを丁寧に暮らすこと」そのものを大切にしています。どうすれば利用者さんが喜んでくれるか。今より過ごしやすくなるか。といったことを日々職員同士で話し合っています。ちいさい規模の施設だからこそ、いろんな提案を受け入れてくれる柔軟さもあります。自身の提案で利用者さんの生活がよくなったと感じられたときは、めちゃくちゃ嬉しいです。
忘れられないお別れ会
実は僕は、一度杉山寮を辞めて、復職しています。その退職時のお別れ会での、利用者さんとのできごとは一生忘れません。その利用者さんは、入職して初めて担当させてもらった方で、経験の浅い自分にとっては正直大変でした。言語があまり発達していないため意志の汲み取りが難しく、どうすると安心してすごしてもらえるか分からず、利用者さんには不安を感じさせてしまう日々の繰り返し。自分の力不足に悩むことが毎日のようにありました。そして、お別れ会当日。その利用者さんから花束をもらうという流れの中で、突然「いーつのーことーだかー、おーもーいだーしてごーらーん…」と歌ってくれたんです。今まで口ずさむことなんてなかったのに。人に何か言われて何かをやる人ではないのに。だからこそ、心から自分のことを思って歌ってくれたんだと思うと、人目をはばからず泣いてしまいました。一度は辞めて美術スタッフをしていましたが、家族ができたことを機に、この経験が忘れられず復職させていただきました。
子育てしやすい高島市
高島市で働くことについては、僕は子どもがいるので市の補助の恩恵を受けています。医療費や保育料、給食費の免除など、子育てに対する安心感は大きいですね。また、市の公園設備も充実しており、子どもを遊ばせる場所に迷いません。琵琶湖やメタセコイア並木などがあり、おしゃれなカフェも点在する。いいところですよ。都会に比べ土地代も安いため、アパートを借りるよりも、月々の支払いを安く持ち家が持てるのも魅力ですよね。
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社会福祉法人 すぎやまの家 杉山寮
主任/生活支援員
西村 直之さん滋賀県高島市出身。大学卒業後、杉山寮へ入職。2年後に退職し、その当時の夢であった美術職へ。結婚を機に生活の維持を強く思うようになり、福利厚生の手厚い現職場へ再度就職を希望し、今に至る。
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[法人紹介]
社会福祉法人 すぎやまの家 杉山寮
https://sugiyamanoie.ever.jp/「生活を創る」・・・緑豊かな自然に恵まれた地域での作業・生活を通し、時には厳しい自然環境に耐える力を養うことや利用者、職員、家族とともに地域への広がりを目指すことを目的としています。